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PE投資先の企業価値向上は、コスト削減の次に何をするか

執筆者の写真: Naoki Kadowaki
Naoki Kadowaki
10月8日
読了時間: 4分

調達条件を見直す。重複する業務を整理する。採算の悪い取引を改善する。PE投資先の企業価値向上において、収益性の改善は重要な経営課題です。

その取り組みが進んだとき、次に問うべきことがあります。

「この会社は、何によって次の成長を生み出すのか。」

コスト削減で得られた利益や余力を、顧客価値と成長能力に結びつける。そのための事業選択、資本配分、経営体制を設計することが、次の段階の課題です。

次の成長の材料は、既存事業の中にもある

新たな成長というと、新市場への進出やM&Aを想像しがちです。しかし、投資先がすでに持つ技術、顧客接点、保守網、データ、現場の知識にも可能性があります。

例えば、機器を販売する企業が保守対応を通じて蓄積した知見は、顧客の稼働率を高めるサービスへ展開できるかもしれません。受託開発会社の業界知識は、特定の業務課題に対応する継続サービスの基盤になり得ます。

これらは説明用の例です。実際の投資判断では、顧客が対価を払うか、提供に必要な能力を備えられるか、投資額と回収期間が成立するかを検証します。

着目したいのは、「何を持っているか」に加えて、「その資産を使って、誰のどの問題を解決できるか」です。

成長計画を実行可能にする四つの設計

1.成長の仮説を、顧客単位で具体化する

「AIで成長する」「高付加価値化する」という方針だけでは、日々の行動は変わりません。

対象顧客、解決する課題、提供内容、価格、販売方法、納品体制まで具体化します。既存顧客への追加提供なのか、新規顧客の開拓なのかによっても、必要な能力と時間は変わります。

2.利益改善と成長投資の配分を決める

創出したキャッシュには、借入返済、既存設備の更新、成長投資など複数の使い道があります。財務制約と事業リスクを踏まえ、どの取り組みに、どの順番で投じるかを決めます。

成長施策は、すべてを一度に始める必要はありません。顧客の支払意思を確認する段階、提供方法を確立する段階、規模を拡大する段階に分け、証拠が増えるごとに投資を判断します。

3.実行する経営者に、必要な権限を渡す

成長施策の責任者に数字だけを求めても、営業、開発、人材、予算を動かせなければ実行は進みません。

ファンド、取締役会、CEO、各事業責任者の間で、誰が何を決めるかを整理します。複数部門にまたがる課題については、調整を依頼するだけでなく、意思決定の場と期限を設けることが重要です。

4.一時的な改善と、継続する能力を区別する

利益が増えたという結果に加え、その理由と継続性を説明できるようにします。

新規顧客の獲得、契約更新、粗利益率、営業の再現性、提供品質、特定人材への依存などを、施策に合わせて確認します。責任者が交代しても運営できるかという視点も必要です。

企業再定義は、成長施策の整合性を問う

VURAの「Enterprise Redefinition(企業再定義)」は、成長に向けて企業の五つの次元をつなげて考えるアプローチです。

  • Purpose:投資先は、誰にどのような価値を届ける企業になるのか。

  • Business:その価値を、どの収益モデルで実現するのか。

  • Organization:実行に必要な能力と意思決定をどう整えるのか。

  • Capital:資金、人材、技術をどこへ配分するのか。

  • Leadership:誰が方向を決め、結果に責任を持つのか。

例えば、継続収益型の事業を目指しながら、営業評価が初回売上だけを重視していれば、方針と行動にずれが生じます。新しい収益モデルに合わせて、評価や提供体制も見直す必要があります。

こうしたずれを修正し、成長の仮説が日々の経営に反映される状態をつくることが、VURAの重視する実行です。

Exitに向けて、成長の証拠を残す

将来の買い手に説明したいのは、成長の構想と、それを支える実績です。

売上が増えた理由、契約が継続する根拠、顧客獲得に必要な費用、拡大に伴う人材や設備の制約。これらを経営管理の中で蓄積すると、将来計画の前提を説明しやすくなります。

企業価値や評価倍率は、市場環境、事業リスク、取引条件などにも左右されます。経営側が取り組めるのは、収益の質と成長の実行能力を高め、その証拠を積み上げることです。

投資先の次の成長を考える

まず、経営チームで三つの問いを共有してみてください。

  1. 現在の改善が一巡した後、次の粗利益をどこから生み出すか。

  2. その実行を担う人に、必要な権限と資源があるか。

  3. 次の経営者や買い手に、成長の再現性を何で示すか。

VURAは、経営参画を通じて事業・組織・テクノロジーの変革に取り組みます。グローバルPEファンド向けの取り組みをご覧ください。

具体的な投資先の成長課題や実行体制については、こちらからご相談いただけます。

 
 
 

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