なぜVURAを立ち上げたのか
- Naoki Kadowaki

- 5月18日
- 読了時間: 6分
更新日:7月14日
※本記事は、2026年5月の創業時に公開した内容をもとに、2026年7月に全面的に加筆・改訂した最新版です。
VURA Capital Innovation Holdingsを設立した理由を、一言で説明することは簡単ではありません。
起業したかったからでもありません。
投資会社をつくりたかったからでもありません。
コンサルティング会社をつくりたかったわけでもありません。
私がVURAを立ち上げた理由は、「AI時代における企業の価値創造のあり方を変えたい」と考えたからです。
これは、ある日突然思いついた考えではありません。
エンジニアとしてものづくりに携わり、コンサルタントとして企業変革を支援し、投資先企業のCEOとして経営に向き合う中で、二十年以上にわたって考え続けてきた問いの延長線上にあります。
そして、その問いはAIの急速な進化によって、より切実なものになりました。
技術だけでは企業は変わらない
私のキャリアはエンジニアから始まりました。
新しい技術が生まれれば、社会はより良くなる。
当時はそう信じていました。
しかし実際に企業の現場に入ると、優れた技術だけで企業が変わるわけではないことを知りました。
どれほど優れた製品があっても、経営が変わらなければ市場には届きません。
どれほど優秀な人材がいても、組織が変わらなければ力を発揮できません。
企業の未来を決めるのは技術だけではなく、「経営」そのものでした。
IBMで見た二十年間
その後、IBMで約二十年間、企業変革に携わりました。
製造業、金融、流通、エネルギー、公共。
数え切れないほど多くの企業と向き合い、デジタル変革、新規事業、AI導入、組織改革を支援してきました。
同じような技術を導入しても、大きく成長する企業と、変われない企業があります。
最初は、その違いは経営者の能力だと思っていました。
しかし、経験を重ねるにつれて考えが変わりました。
違いは、企業が「何を価値と考えているか」にありました。
利益だけを見る企業。
顧客だけを見る企業。
社会全体を見ている企業。
その違いが、長期的な競争力の差となって現れていたのです。
CEOになって初めて見えた景色
その後、私はプライベートエクイティ投資先企業のCEOを務める機会を得ました。
それまで私は、多くの経営者へ提言する立場でした。
しかしCEOになると、自分自身が最終的な意思決定を行う立場になります。
社員の生活。
顧客への責任。
金融機関との交渉。
株主への説明。
資金繰り。
採用。
組織改革。
そのすべてに責任を持つことになります。
ここで私は、大きな気付きを得ました。
経営とは、理論を知っていることではありません。
不確実な未来の中で、「何を信じ、何を選ぶのか」を決め続ける営みなのです。
AIは企業経営の前提を変え始めた
そして、生成AIが急速に進化し始めました。
AIは文章を書きます。
プログラムを書きます。
契約書をレビューします。
経営分析を行います。
意思決定を支援します。
これまで専門家だけが持っていた知識や分析能力は、AIによって急速に民主化されています。
つまり、
Knowledge
Analysis
Execution
は、企業固有の競争優位ではなくなりつつあります。
もちろん、差は残ります。
しかし、その差が縮小するスピードは、これまでとは比較にならないほど速くなっています。
私は、この変化を見ながら、一つの問いを持つようになりました。
「AI時代に、企業は何を競争力とするべきなのか。」
企業価値だけでは未来を語れない
企業は長年、「企業価値の向上」を目標としてきました。
売上。
利益。
ROE。
株価。
もちろん、それらは重要です。
しかし、それだけで企業の存在意義を説明できるのでしょうか。
AIによって生産性が向上したとして、その先にどのような社会を実現したいのでしょうか。
企業価値が上がれば、それだけで未来は良くなるのでしょうか。
私は、その問いに対して「No」だと考えました。
企業は利益を生み出す存在であると同時に、未来を創る存在でもあるべきです。
Future Valueという考え方
この問いを考え続ける中で生まれたのが、「Future Value(未来価値)」という概念です。
私はFuture Valueを、
「社会が共有する未来への期待」
と定義しました。
ここでいう期待とは、単なる希望や予測ではありません。
企業が社会に対して提示する未来像と、その実現可能性に対する信頼です。
企業が未来を創る。
その未来に人々が期待する。
その期待が新しい価値になる。
私は、この循環こそがAI時代の企業価値創造の本質だと考えています。
Future Value Theoryの誕生
この考えを整理し続けた結果、Future Value Theoryが生まれました。
Future Valueは偶然生まれるものではありません。
Purpose
Capability
Capital
Ecosystem
Continuity
という五つの要素が循環することで継続的に創造される。
私は、このフレームワークをAI時代の新しい経営理論として体系化しました。
Future Value Theoryは従来の経営理論を否定するものではありません。
むしろ、多くの優れた理論を土台としながら、AI時代という新しい環境に合わせて統合し直そうとする試みです。
なぜVURAなのか
VURAは単なる投資会社ではありません。
単なるコンサルティング会社でもありません。
研究機関でもありません。
私たちは、
投資し、
経営に参画し、
企業を再定義し、
未来価値を共に創る。
そのすべてを一体として実践する会社です。
理論だけでは社会は変わりません。
実践だけでも再現性は生まれません。
だからこそ、投資・経営・研究・AIを一つにつなげる会社としてVURAを設立しました。
なぜ10冊出版したのか
Future Value Theoryは一冊では語り尽くせませんでした。
理論。
Q&A。
Enterprise Redefinition。
二つの経営小説。
日本語と英語。
合計十冊。
それぞれが異なる役割を持ち、一つの知識体系を構成しています。
さらにWorking Paperを公開し、この理論をオープンな形で発展させていくことを選びました。
完成した理論ではなく、対話を通じて成熟する理論でありたいと考えているからです。
VURAが目指す未来
VURAの使命は、「Future Valueを創造する企業を増やすこと」です。
AI時代には、効率だけでは企業は選ばれません。
どのような未来を描き、どのような価値を社会と共に創造するのか。
その問いに答えられる企業こそが、持続的な競争優位を築くと考えています。
私たちは、投資・経営・研究・実践を通じて、その挑戦を支えていきます。
これからも問い続ける
Future Value Theoryは、答えを押し付ける理論ではありません。
むしろ、より良い問いを生み出すための理論です。
AI時代には、正解が一つではない課題が増え続けます。
だからこそ、経営者、投資家、研究者、教育者、学生、そして未来を創るすべての人と対話を続けたいと考えています。
VURAは、まだ始まったばかりです。
しかし、私たちは信じています。
企業が未来価値を創造するとき、社会はより豊かになり、人々の可能性はさらに広がる。
その未来を、共に創っていきたいと思います。
Official Press Releasehttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000183394.html



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